日本瓦は一般住宅で最も使われている屋根材で、陶器瓦とも言います。日本瓦の耐久性は60年近くあり、他の屋根材と比較して長寿命です。しかし、耐震性に劣り、台風などで被害がよく起こります。そのため、最近では新築物件での瓦屋根が減少傾向にあります。
全国一の瓦産地の座を守っている三州瓦は、良質の粘度を約1130℃もの高温で焼成されているため、雨をしっかりとはじく性質があります。粘度を主成分として昆練、成型、焼成した飛鳥時代に仏教と共に伝わった日本古来の屋根材です。原料である粘土の質によって製品の出来ばえが決まってしまいます。一に土、二に窯、三につくりとも言われております。屋根の重さは建物の耐震性と大きく関わります。
瓦屋根は重い屋根に分類され、地震被害に影響を及ぼしやすい屋根です。耐震化を目的にリフォームする場合は、軽い金属屋根への葺き替えをおすすめします。
切妻屋根の割れ
寄棟屋根の割れ
下屋根の割れ
棟下地・泥土の落下
壁部分の泥土の落下
棟の落下・泥土の落下
寄棟・棟飾りのズレ
切妻・棟飾りのズレ
棟飾りのズレ
建物は地震の力の方程式に従うと、より軽い方が地震の力が小さくてすむという事になります。高層建物の多くは、柱、梁などに鋼材を使う事により強度を出し、鉄筋コンクリートより断面が小さくて済むので、建物の重さを軽くしております。
木造住宅でより耐震的にするためには、重い屋根材より軽い屋根材を使う事で建物の荷重を軽減する最良の方法であり、地震に対して有利と考えられます。
なんといっても、建物全体の重量の中で屋根の重量のウエイトが高いですから、揺れを少しでも軽減させて大切な住まいを守るためには、屋根のリフォームの必要性が求められます。
現在は施工されなくなりましたが、日本瓦を土で固定する土葺き工法があります。土がある分屋根の重さが増しますので、瓦桟と呼ばれる細い木の棒を下地に取り付け て、釘を用いて瓦を固定するようになってます。
日本瓦の屋根下地は屋根板が使われております。現在主流となっている構造用合板は敷かれている事はあまりなく、9mmほどの薄い杉板(屋根板)を一枚一枚張り、その上に下葺き材が施工されております。
昔は、屋根板の間隔を広げて施工したり、下葺き材として杉皮が防水材の役目として使用されていた時期もあります。屋根の垂木は細い角材の場合があります。
垂木は一尺五寸間隔で棟から軒先まで長尺物で付けられておりますが、年数が経過すると屋根板が痩せてきて屋根全体が波のように歪むことになります。
瓦を固定している桟も経年劣化してきます。このような状況になると、セメント瓦屋根の上を歩いていても沈むような感じを受け、屋根が壊れそうでとても危険です。このような状況では屋根全面を撤去する必要があります。
断熱材付きの段葺き、立平葺きでも屋根を納める事が可能です。その工程を一般的に葺き替えと呼んでおります。耐震性を考えた場合、軽い屋根の方が有利です。耐候性のあるスレート材よりも軽い金属屋根材をお勧めしております。
特に、定尺横葺き屋根材でリフォームをすれば費用も削減できるでしょう。建物の構造や屋根下地をしっかりと検査して葺き替え工事を進めていく必要があります。
【メリット】
【デメリット】
地震が起きるたびに必ず被害の報告として挙げられるものには、家屋の屋根による被害なのです。特に屋根瓦の重みによる重量負担が大きな原因の一つとして考えられます。
瓦屋根は昔、泥土を屋根下地に引いていたので、重量が増し、柱などへの負担を大きくして、建物の耐久性が弱くなり家が傾いたりする原因の要素として考えられます。木造住宅にはやはり瓦屋根と思う方がいるのも現実です。波打つように連続する瓦屋根の景観を好むことからでしょう。屋根は金属屋根であろうが、瓦屋根であろうが一年中同じ状況下にあります。
真冬の寒さ、真夏の太陽の日差し、梅雨のもとで、日常生活を守るために大切な役割をしてくれているのです。このように、人間に置き換えると心臓部にあたる屋根が地震で揺すられると、瓦で葺かれている住宅の屋根瓦はズレ、ひび割れ、破損、棟瓦がくずれたり、落下したりと大きな被害を被ってしまいます。
地震後は必ずといっていいほど天候が悪くなり、このような屋根の状況だと雨漏りを誘引してしまい、野地板を腐食させたり、屋根面が歪みを生じるようになり危険なのです。
リフォームする上で重要な事は、人や家のライフスタイルに合わせて適切な時期に無駄の出ない工事をすることです。それぞれの理由でリフォーム工事を行っていくと、二度手間の発生や多額の費用がかかってしまったりします。
例えば、家族の生活環境、家自体の老築化、地震対策、老朽化のための定期的なメンテナンス工事、デザイン重視のリフォームなどさまざまであります。タイミングを間違えてしまうと、一度施工した箇所を壊す事になったりして、雨漏りなども発生させてしまう場合もあります。
ガルバリウム鋼板のメーカー保証は「塗膜15年」「赤錆25年」が基本です。「塗膜20年保証」のハイグレード製品もあります。建物の部位の中で一番大切なのは屋根ですので、下記の耐用年数表を参考にリフォームの工事時期をしっかりと見極めて検討してみると良いでしょう。
耐用年数 | 塗装の周期 | |
---|---|---|
スレート屋根 (コロニアル) |
30年(メーカー公表) 10~13年(現状の統計) |
8~10年 |
ガルバリウム鋼板屋根 (瓦棒・横葺き) |
20~25年 | 15~20年 |
瓦屋根 | 60~100年 | 必要ない |
住まいのロングライフ化に向けて、メンテナンス計画を立てる際に目安とするための耐用年数、塗装の周期です。基本は、10年毎の定期メンテナンスを行うことです。住宅の地域、環境や使用条件によって劣化の進行状況が異なりますので、あくまで目安としてご活用下さい。
■B様邸/耐久性のある金属屋根にリフォームしたい方 ―
10年保証の軽量なガルバリウム鋼板を使用
酸性雨、酸性雪、塩害など錆に対する悪条件が深刻化しつつある中で、新築時から10年以上経過してしまった建物の屋根には、より耐久性の高いガルバリウム鋼板が求められます。
■C様邸/耐食性に優れた20年保証の高級金属屋根に葺き替えの上、塗装費用を削減したい方
耐食性、耐候性に優れたフッ素樹脂塗料で仕上げた製品により、塗膜の変耐色、白亜化、ひび割れ、はがれについて20年の保証が受けられます。
屋根の葺き替え工事などしていると、奥様によく言われることがあります。
「板金屋さんは夏は日光に一番近いとこに上がって暑いだろし、 冬は冷たい風にあたりながらのお仕事で大変でしょうね」
「もしお仕事が忙しくなければ、少し涼しくなってから葺き替えしてもらっても構いませんよ」
「梅雨の時期は屋根が濡れていて危険だから、十分に気をつけてね」
「夕方、日没が早いから屋根でのお仕事は遅くまで出来ないんじゃない?」
屋根のクマガイが忙しくなる時期は、長年の施工実績からデータを取ると、やはり9月から11月にかけてが多いようです。
特に今年のような猛暑の年は、屋根での作業は熱中症 には気をつけなければなりませんし、水分補給を取りながらの作業となり、どうしても施工期間に影響を及ぼしてしまいます。しかし、私たち板金職人は、どんな天候でも妥協をすることなく、施工方法を変えることは出来ません。
屋根や外壁のリフォームは、一生に一度の大きなお買い物ですから、値段はもちろんですが、しっかりと丁寧に工事をしてもらいたいものでしょう。お客様はよく現場の状況を理解している方が多いようで、寒くなる冬の時期よりもその前に工事を終わらせてしまいたいと思っているようです。
仕事は技術が一番、もっと重要なことは『真心』ですること
屋根材をハサミで切ったり、曲げたり…常に長持ちしてほしいの心で!
年間を通して暑くもなく寒くもない状況下で屋根工事が出来る日は限られております。わたしたち板金職人のモットーは、普段から手間を惜しまないことであり、常にどんなことをしたらお客様が喜ぶかを考えて施工しております。天候が悪くなると、いろいろお気遣い頂いたりすることがあり、申し訳ない気持ちでおります。そのお客様の大切な思いやりの心を忘れることなく、恩返しをするように弊社として朝の打合せで徹底をしております。
屋根改修工事を9月から11月にお薦めするワケは、いつもご自宅にいる奥様に天候の面でご心配をおかけすることのないように、真心をもって仕事を進めていくことができるからなのです。
もし、屋根のリフォームで少しでも弊社をご信用してくださるのでしたら、まずは、心を決める前にお気軽にご連絡を下さい。お電話を頂いて納得いかないような事がありましたら、どうぞお断りしていただいて構いません。真冬になる前のこの時期、弊社の永年の施工実績からぜひお勧めです。
「屋根材の選択方法がリフォーム成功への一歩」
これまでも、これからも、いつまでも。屋根のクマガイの屋根工事の基本としている考えです。
現在、多くのメーカーから多種多様の屋根材が出ております。その中から、一番ベストな商品を選択するのは難しいのではないでしょうか?同じような形状しているのに商品単価が違ったり、屋根材の厚みまでもいろいろで私共の屋根工事店でも迷うくらいになってきてます。
金属屋根で一般的に使われているガルバリウム鋼板は、さらに品質が向上したスーパーガルバリウム鋼板通称(SGL)に進化しており、仙台近郊でのリフォーム工事では主流となっています。
住まいの安全のために、暮しの安全のために屋根材が軽量であることが一番重要であり、軽さを優先させなければなりません。その上で、デザインや機能を付加していく必要があります。
住宅を購入する時は内装重視になってしまい、屋根について検討する方があまりいません。一生に一回で済ませるためには、下記の屋根材を採用して適切な板金工事をする事が大事なのです。
「長尺横葺き、定尺横葺き」「瓦棒葺き」「立平」「アスファルトシングル」[金属瓦]などが候補としてあります。金属屋根の多くは新築とリフォームを問わず、20年から30年の保証がメーカーから得られます。日本瓦の上に新しい屋根材を重ね葺きすることはできません。
快適横段15
定尺横葺き
ファイン瓦
かわら455
平成23年3月11日の大震災で三州瓦の棟が大きく崩れてしまい、応急処置を依頼されました。2階屋根の瓦が玄関先にすごい勢いで飛んできて非常に危険な思いをされたようです。
屋根の一番の頂点にある棟瓦を撤去してみたところ、棟の葺き土がたくさん使われておりました。昔の建物は必ず葺き土を敷き詰めますので、かなりの重量になります。2tダンプが土でいっぱいになるほどです。
9mmほどの薄い屋根板が雨漏りのために劣化しているので、一部撤去して屋根板を軒先から張り直しをします。
防水機能に特に優れた素材のゴムアスルーフィングを全面に敷き込みます。この防水材は引っ張りやねじれ、引き裂きなどに対して強い性能を備えているため、少々の雨でも安心して施工できます。
軒先唐草を割付に合わせながら下地に取り付けます。ビスを確実に下地に止め付けることで、葺き上げにより耐えることが出来ます。
金属瓦を垂木の中心に合わせながら一枚一枚重ねて並べていき、寄棟の頂点は斜めにカットして谷部分を立ち上げます。
かわら 455本体の山部分に長さ90mmのビスで固定をします。重ね部分がズレないように水上、水下を仮止めします。
斜めにカットした箇所からの雨の侵入を抑えるために、ウレタンで成型されたバックアップ材をかわら 455の波形状に合わせて取付けていきます。
斜めにカットした箇所からの雨の侵入を抑えるために、ウレタンで成型されたバックアップ材をかわら 455の波形状に合わせて取付けていきます。
棟頂点には4寸巾の下地材をビスで隅木まで ビスで取り付けます。
鬼飾りの土台下地をかわら本体に取り付け、鬼飾りの角度を決めながら固定します。
4寸巾の下地材を覆い囲うように、2m物の棟 包み材を軒先から順番に取付けます。
箱棟を棟下地材に合わせながら順番に重ねて いきます。
斬新な彫りの深さが建物に躍動感を与えて、洋風住宅にとてもマッチしました。遮熱鋼板を用いたかわら455なので、省エネ設計の屋根に生まれ変わりました。
施主様は日本瓦の屋根修理を直ぐにでも修理してもらいたいと願っており、数多くのホームページや電話帳、チラシを見て問い合わせします。現在は情報量が膨大であり、日本瓦の中で陶器瓦のリフォームを専門に修理をする業者を捜すのが難しいのではないでしょうか。
屋根の工事は屋根板金工事と日本(陶器)瓦屋根工事の2種類があり、本質的にこの2つの工事は異なります。屋根工事を専門にしている会社であっても、金属屋根だけではなく陶器瓦の部分修理や漆喰詰め工事を請け負っていたりします。
フランチャイズに加盟している会社、塗装業者、大手のハウスメーカー、リフォーム会社も直接請け負って工事をすると謳っていることが多いのです。最近は大手の家電量販店でも屋根工事を扱っていたり、本当に仲介業者が増えてきました。
このような会社に依頼をすると、雨漏りの原因や修理方法、施工日の報告などが速やかに行われませんので、直ぐに解決するはずの工事が遅れてしまう可能性も否定出来ません。つまり、直接、問い合わせを受けるというだけなのです。日本瓦の屋根改修施工実績があって、専門に工事を行う屋根板金業者であるかの判断が一番重要です。
もし、仙台にお住いである方は、見極めの一つの手段として板金業者であるか訪問してみましょう。このような質問をしてみて、技術力のある屋根専門業者に工事をお願いしてみましょう。
「基幹技能士はおりますか?」
「金属屋根を切断したり、曲げたりする機械はありますか?」
屋根のクマガイでは日本瓦の施工や葺き直し、漆喰詰めなどは承っておりません。
屋根板金工事だけを専門にしているので、実績は豊富にあり施工技術も一流です。地域密着を大事にしている弊社だからこそできる、高品質で適正単価の金属屋根工事を私たちはお客様にご提供していきたいと思います。